皆さんこんにちは。学歴だけは無駄に持っているMASUDAです。
何を隠そう(ってもうタイトルに書いてるけど)わたくし、MBAです。もうだいぶ昔の話ですが。
MBAに行くまでの勉強方法については近々別のサイトを立ち上げてそこで事細かに書こうと思っております。なので、ご興味のある皆様はぜひそちらをよろしくお願い申し上げます。
今回はよく訊かれる
「で、結局MBAって、行った意味あったの?」
という質問に対する個人的な答えを出したいと思います。
これで「いや、全然」と書くと話が終わってしまいますが、そうしたポジショントークは抜きにして、マジメにMBAをやってよかった!と思ったことをお伝えしたいと思います。
先にお伝えしておきますが、会計やらファイナンスやらのスキルセット的な話はあまり出てきません。
どちらかというと「心の成長」みたいな話です。
※若干、背景などを脚色してます。誰かに迷惑がかかるのがイヤなので。予めご了承ください。
◇目次
MBAで学んだ大事な原則3つ
・大きい決断であればあるほど、早めにすること
最初はコレですね。
このことが身にしみてわかったのが、授業でやった企業経営シミュレーションでした。
クラスが8つくらいのグループに分けられて、それぞれがあるメーカーの経営陣になるという設定で話が進みます。
途中、いろいろなシナリオが与えられ、経営陣として決断を下していき、それをもとに自社の毎期の成績が変化していくというもの。
ライバル社の動向も見ながら、攻めるところ、守るところを考えたり、投資はいつどこに行うか、そのお金の調達はどうするか・・・というのを限られた時間で決めていきます。
勝ち負けの指標はいろいろあって、このときは「自社の株価を一番高めたところが勝ち」というものでした。
実はこの手のプログラムはほとんどどこのMBAでもあるみたいですね。
私の行ったところではまるまる1週間これに当てられていて、スクールとしても目玉のひとつに据えていました。
やってみてよくわかったのですが、決断はホントに早いほうがいい。
一旦決めたことをやめるのはいつでもできますが、やらなかったらその時間は永遠に帰ってこないのです。
例えば、新商品の投入については正直当初は儲かるかどうかなんてわかりません。
けど、やらなかったら当然今のビジネスが劇的に伸びるなんてことはありえないのです。
まさに私はここで失敗してしまいました。
私のグループは、あろうことか私がCEO役に就任。
諸年度どこかに投資して成長するか、決算の見栄えをよくして手っ取り早く株価を上げるかということで迷ったのです。
投資をするとなると、当然お金が出て行ってしまいますし、負債も増えて決算が悪くなります。そうすると格付けも下がって株価に差し障るしなあ・・・ということでCFO役が投資に難色を示しました。
他のメンバーからは、いやいや売り上げがあがらないと話にならんでしょ、という意見も出たり、だったらマーケティングにもっとお金使ってくれー、という声もあったりしてまとまらず、結局様子見を決め込んでしまいました。
すると、まんまと別のチームが先んじて商品を投入してきてしまい、こちらが強かったマーケットがえらい勢いで荒らされていきました。
こちらも慌てて、ほとんど同じスペックの商品をちょっと安い値段で投入しかえすことに。
(休憩時間中に「パクリ過ぎ」と向こうのチームに言われましたが笑)
けど、すぐに商品開発できるわけもないので、どうしてもタイムラグが出ます。
しかし、向こうは2年先(このシミュレーションでは半日=1年という設定)にマーケットを押さえ、先行者利得でがっつり稼いでいた分体力がついていたのです。
そのため、向こうはその利益をまるまる違うところに振り向け、さらに差がつく一方。
そうこうしている間にその新商品のマーケットにはどんどん他のチームも参入してきて、瞬く間にレッドオーシャンになっていきます。
後で考えるとわかるのですが、仮に新商品がどこかで失敗しても、その商品をバージョンアップするなり、違うところに投入するなりいくらでも方法はあったんですよね。
ここでも私のチームは「現状維持」を選択してしまい、マーケットでの利益は瞬く間に激減。
ちょっと「決算の見栄え」を意識してしまったがために、3年くらいでもう取り返せないくらいの差がついてしまったのです。
実際、優勝したチーム(最初に新商品を投入してきたところです)は結構ドラスティックに投資を繰り返していました。
株価も相当ボラティリティはあったものの、終わってみればぶっちぎりの1位。
うちのチームは真ん中の4位でした。
リーダーシップの差でしょうか?
それも(大いに)あるかもしれませんが、決め手になったのはほんのちょっとした
決断の早さの差
だと思います。
企業経営だけでなく、あらゆることに通じる話だなあと、典型的な日本企業型の意思決定スタイルに染まっていた私には非常に貴重な経験でした。
・人間、思ったよりもリスクは取れる
上の話にも通じるものがありますが、MBAでは授業の一環で、様々なところで活躍している経営者をゲストスピーカーとしてお招きし、話を聞く機会があります。
誰もが知っているような大企業の方もきてくれて、まさにここがスクールの力量の見せ所なのですが、私にはどちらかというとスタートアップしたばかりの会社のCEOの話が新鮮でした。
(ここも個人の特定を避けるため、ディテールは省略します)
サラリーマンの私からすると、はじめは「よく起業なんてする気になるなあ・・・」と思ったものです。
あるとき一度、ゲストできていた企業したばかりの方に
「お金の心配とかなかったんですか?失敗したらどうしようと思いませんでした?」
とこれまた典型的なサラリーマン視点で質問をしてみました。
すると、
「世の中、お金を稼ぐ方法だけならたくさんあるし、仮に失敗してもその方法自体が消えてなくなるわけではない。もちろん失敗するより成功したいけど、犯罪や病気以外の理由で大失敗して二度と立ち直れなくなった経営者って知ってるか?
本気でビジネスしていて、撤退しどころも分からずに会社をつぶしちゃうようなやつは、きっと最後はそれなりのところに収まるだけ。 あと、お金がなくなる心配については、個人のお金と会社のお金の話を混同してるからそう思うんじゃない?
破産したくない、って意味だとしたら、きちんと自分の責任範囲が決まっている会社形態にすりゃいいだけ。勉強すりゃわかるでしょ。 じゃなきゃ世の中の社長は何度路頭に迷ってることか笑」
「あなたは日本の会社に所属してるの?基本的に終身雇用なんだよね?逆に、それだけ守られてるのに何もチャレンジしないほうが不思議なんだけど?」
と怒涛の勢いでコメントされ、あげく逆に闘魂注入までされる始末。
まあでも、たしかにそのとおり。
漠然と「なんか危ないかも、不安かも」というのはちゃんと勉強した上で最悪の事態だけ避けるようにすれば、人間もっと思い切ったことができる、と明快に言い切られました。
というか、そのためのMBAです。
(余談ですが、だいたいスタートアップの経営者はこんな感じの「熱い」人が多いです。キライじゃないですけど)
・リーダーの孤独と責任。話しても分からない奴もいるし、人にはそれぞれ目的がある。
MBAで学んだことの中には、こうした前向きなことばかりではなくて、ちょっと切ないこともあります。
よくも悪くも世の中の縮図みたいなもんなので、どうしても100%うまくいくことなんてありえないんですよね。
私はクラスの代表みたいなこともやっていたのですが、イベントの企画やら何やらで仕切りをやると、どうしても協力してくれる人、あんまり手伝う気のない人というのが出てきます。
中には、頼んでもやってくれなかったり、忘れてたり、集まろうって言っても一向に来ないやつまで・・・。
で、悪びれもせず、「じゃあやっといて」くらいの勢いでくることも。
授業もしっかりやりますが、それ以上に飲み会や旅行などのパーティー系もしっかりやるのがMBA。
なので、イベントがグダるというのは到底許されないのです。
ただでさえ授業の準備もあってクソ忙しい中で、2,3人こういう感じのヤツがいるともう限界。
何度かブチ切れたこともありましたが、悲しいかなこういう人はいくら言っても直りません。
けど、イベントは待ってくれるはずもなく、時間だけが過ぎていく・・・。
MBAには普通、スタディーグループという授業の勉強を一緒にやるチームがあります。
彼らにこの辺の愚痴を言ったところ、これがまた大盛り上がり。
(日本人だけだと何となく「大変ですねえ」に収束するのでしょうが、そうならないところがMBA笑)
じゃあ働かない連中にどう落とし前つけてもらうか、という話になりました。
「ホント許せないので、クラス全員の前に引きずり出して謝らせたい」
という過激派(イベントも一緒にやってくれていた)もいれば笑、
「もうほっといて、イベントの金だけ出させれば?」
という現実派もいました。
※国籍やバックグラウンドと発言を結びつけるのもイヤなので、その辺は省略。
そんな中であるクラスメートが以下のようなことを言いました。
「彼らがMBAに来てる目的は何なのだろうね。きっとここでの生活に求めているものがそもそも違うんじゃない?約束を反故にするなんてのもどうかと思うけど、まあ僕の国じゃビジネスやってればよくあるし。話しても分かんない奴は分かんないよ。」
「一方で、MASUDAはこのクラスのリーダーなんだから、まずは目的を達成しないといけないんじゃない?たぶん、大多数のクラスメートはそこしか見てないよ。」
「あと、リーダーだからって多分他人の態度(attitude)まではコントロールできない。影響は与えられるかもしれないけど。他人の人生のコースを変えさせるならとんでもないインパクトが必要だよね。今回のイベントが彼らの記憶にも残るくらい楽しいものになれば、彼らもちょっとは変わるかもね。」
というようなことを言われて、妙に納得したのを記憶しています。
MBAは不思議なところで、勉強していることは「ビジネス・経営」なのですが、立場は「学生」。ややもすると後者の空気に引きずられるのですが、ふとした瞬間にこうした気づきがあります。
リーダーシップについては授業でも勉強しましたが、いざ現実にリーダーやってみるとホント奥深いのがよくわかりました。
まとめ
至って個人的な経験談ではありますが、これを読んでいただいた皆さんが少しでもMBAに興味を持っていただければ幸いです。
月並みな言い方ですが、どこのスクールに行くかも大事なのと同様、そこで何をして誰と友達になり、どんな経験をするかも同じくらい大事ですよ!
本日は以上です。最後までお読みいただきどうもありがとうございました!
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