ルパン三世に学ぶ、「粋」な人になるための神髄とは



皆さんこんにちは。

今年の七夕は「粋な人になれますように」と短冊に書いたMASUDAです。

いや、大真面目なんですよこれが。

もういい歳になってきたし、見た目がどうこうというより、内面から出るかっこよさみたいなものを身に着けたいなあと。

そこで今日は、日本を代表する(?)粋な人、ルパン三世を参考に、粋とはどういうことか、というのを考えたいと思います。

そもそも、「粋」とは?

「いよっ、粋だね!」とか、「若旦那の粋なはからいで~」とかいうのを聞いたことはありますよね。

でも、意外と正しい意味は知らないかもしれません。

これ自体あまり粋じゃないかもしれませんが、「粋」を辞書でひくと

  • 気質・態度・身なりなどがさっぱりとあかぬけしていて、しかも色気があること。また、そのさま。「粋な姿」「粋な柄」「粋な店」⇔野暮 (やぼ) 
  • 人情の機微、特に男女関係についてよく理解していること。また、そのさま。「粋な計らい」⇔野暮。
  • 花柳界の事情に通じていること。また、花柳界。「粋筋」⇔野暮。

(出典:デジタル大辞泉 https://dictionary.goo.ne.jp/jn/10297/meaning/m0u/

とあります。主に我々がイメージするのは上の2つですよね。
(対義語はここにあるように「野暮」です)

「粋」については、九鬼周造という哲学者が研究をしていて、それも非常に参考になります。
この人が書いたその名も「『いき』の構造」という本には、「粋」を構成する要素として次の3つがあると書いてあります。

  • 媚態
  • 意気地
  • 諦め

始めの「媚態」というのは、簡単にいうと「色気」のこと。異性をものにしたい!という、割とギラギラした欲求のこと。

でも、これだけだとただのチョイ悪オヤジみたいになっちゃいます。

そこで「媚態」のバランスをとるのが、残りの「意気地」と「諦め」。

「意気地」というのは、ここでは「やせがまん」のようなもの。

本当は異性が気になって気になってしょうがないんだけど、あえてぐっと堪えて、自分からやたらめったら言葉にはしない。

また、異性に屈することなく、意地を張るという、まあ言ってみれば「男の矜持」みたいなことを言います。

なぜかというと、「媚態」を最後まで推し進めると、異性は手に入るかもしれませんが、あんなにあったはずの色気は徐々に薄れてしまうから。

「粋」であるためには、「媚態」を極限まで高め、「手に入りそうで手に入らない」状態を目指すのが理想です。

最後の「諦め」は、割とストレートですが、

「そうはいっても、人の心は移ろいやすい」ということを悟った、ちょっと客観的な視点を持つこと。

でも、決して投げやりになるということではなく、自分の「媚態」の高まりや、その後訪れるであろう寂しさにまで意識を向けることです。

それが、相手に執着しすぎない、さっぱりした態度につながるという訳ですね。

この3つの要素は口ではなかなか説明しづらいのですが、これを絶妙な感じで表現してくれているのが、我らがヒーロー、ルパン三世です。

特に、名作と名高い「カリオストロの城」にルパンの粋っぷりがよく表れています。

ルパンの見せた「粋」とは

復習も兼ねて、まずは「カリオストロの城」のあらすじをおさらいしましょう。

ちょっと長いので、知っている方は飛ばしていただいて大丈夫です。

世界的な怪盗ルパン三世の一味はモナコの国営カジノの大金庫から大金を盗み出すが、それが真券同然の精巧さで知られる幻の偽札「ゴート札」であることに気づく。ルパンには、若気の至りでゴート札の秘密を暴こうとして痛い目に遭った過去があった。「次の仕事は決まったぞ」と札束を撒き散らすように投げ捨てたルパンは、ゴート札の出処と疑われているヨーロッパのカリオストロ公国に向かう。

入国したルパンは、ウェディングドレス姿の少女が何者かに追われているのに出くわす。少女はこの国の亡き大公の娘クラリスだった。クラリスは、父にかわって国を治めているカリオストロ伯爵に結婚を迫られたため、伯爵の居城から逃げ出したのだ。ルパンは追っ手を撃退したが、クラリスは別の追っ手に連れ去られてしまう。ルパンはクラリスが残した指輪を見て、彼女が昔、偽札の秘密を狙って公国に忍び込むも見つかって命の危機に陥った自分を助けてくれた幼女であることに気付く。

ルパンは、彼の逮捕に執念を燃やす国際警察の銭形警部が城へ来るように仕向け、銭形に変装して城に潜入する。ルパンは伯爵の狙いが先祖の財宝でありその鍵である指輪の持ち主であるクラリスをさらおうとしていたことを知り、クラリスを救い出すことを決意。地下にある偽札工場を発見したことにより義憤をうずかせる銭形と一時的に休戦を結び、協力して地下牢獄から脱出する。ようやくクラリスの元へたどり着いたものの、救出に失敗して胸を撃ち抜かれてしまい、銭形の助力によりクラリスを残してかろうじて脱出する。ルパンと分かれた銭形は持ち帰った偽札の証拠を国際警察に提出し出動を要請するが、高度に政治的な問題であるため国際警察は動こうとしなかった。

数日後、昏睡から目覚めたルパンは、クラリスと伯爵の結婚式に忍び込み、クラリスを救出する。ところが、逃げ込んだ時計塔でクラリスが伯爵に捕まってしまい、ルパンは時計クラリスの命と引き換えに塔を見て気付いた指輪の謎を伯爵に教える。しかし、指輪を受け取った伯爵は不意打ちでルパンを突き落とし、止めようとしたクラリスもろとも湖へと叩き落してしまう。

「文字盤のヤギの目に指輪をはめ込むことにより財宝への道が開かれる」。ルパンのその言葉通り、文字盤のヤギの目に指輪を納めた途端、突如、時計塔が急速に動き始め、逃げ場を失った伯爵は時計の針に挟まれて押しつぶされてしまう。そして時計塔は崩壊し、湖の底から遺跡が出現する。財宝とは先祖が隠した古代ローマの都市であり、時計塔の仕掛けは水を排出して沈んだ遺跡を表出させるための装置、そして指輪はその起動装置だったのである。

混乱に乗じた銭形が結婚式のテレビ中継中に偽札工場の全容を映したことでようやく国際警察も動き出し、歴史の暗部と言われたカリオストロ公国についに捜査のメスが入ることになった。

クラリスはルパンについて行くことを望んで胸にすがるが、短く葛藤したルパンはクラリスを置いて去って行く。ルパンを追ってきた銭形が、ルパンがクラリスの心を盗んだと言い当てると、クラリスは顔を輝かせて「はい」と答える。ルパンと銭形たちの車は、追いつ追われつしながら地平線に消えていくのだった。 (出典:Wikipedia

ポイントは最後のところです。

「クラリスはルパンについて行くことを望んで胸にすがるが、短く葛藤したルパンはクラリスを置いて去って行く」

これですよこれ!

ルパンもクラリスも、カリオストロ公国での冒険を通じ、お互いを想っていることは確かです。

当然、このまま行けば一緒になれる、とルパンだって思ったはず。
クラリスが胸に飛び込んできたとき、物理的な二人の距離はゼロ。

媚態は究極まで高まります。

ですが、ルパンはここでわずかな間のあと、クラリスをその場に残し去っていきます。
この短い間の逡巡こそ、ルパンの「意気地」と「諦め」の結晶。

アルセーヌ・ルパンの孫であり、世紀の大泥棒として名を馳せたルパン三世の人生最大の目的は「盗む」こと。

ここでそれをやめる訳にはいきません。その矜持とクラリスへの気持ちの間で揺れ動くんですね。

また、きっとルパンの心の中には、

仮にクラリスと一緒になったとしても、自分は泥棒、彼女は王女。冷静に考えたら、とても彼女を幸せにはできない・・・

という「諦め」もあったのでしょう。

そんな思いをあの短い抱擁に込めて、ルパン三世は去っていったのでした。

その後、銭形警部は最後に、クラリスにこう言います。

「あいつはとんでもないものを盗んでいきました。あなたの心です。」と。

もしかしたらルパンは、クラリスの心だけを盗んでいくことで、泥棒としてのプライドと、クラリスへの想いに何とか折り合いをつけたのかもしれませんね。

あー、こんな粋な人になりたい!

本日は以上です。最後までお読みいただきどうもありがとうございました!

 










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