みなさんこんにちは。
この記事は、不動産投資を始めたい方のために投資物件選びの基準をご紹介しています。
今回は「後編」ということで、
・都心or地方、どちらを選ぶ?
・物件の構造はどれを選ぶ?
という2つの切り口を見ていきます。
<<前編はこちら>>
それでは、前編に続いて3つめの切り口から見ていきましょう!
◇目次
不動産投資の4つの切り口(3):都心か地方か
物件選びの基準として、都心(東京にかぎらず、大都市の中という意味です)がいいか、それとも地方の物件がいいか、という考え方があります。
それぞれ一長一短ありますので、特性をよく把握した上で購入しましょう。
都心物件
都心物件のメリット
都心に物件を買うメリットとしては、まず人口が多いので、それだけ借り手も多くなり、部屋が空いてもすぐに次の借り手が見つかりやすい、ということがあります。
不動産投資の最大のリスクは空室が続いて収入が得られないことですから、その空室リスクを緩和することができるのは非常にありがたいことです。
また、大都市の物件は資産性が高いのも利点といえるでしょう。需要が多いため、売却する際も相対的に高い値段で売れる可能性が高いです。
不動産投資は最後まで物件を持ち続けるか途中で売り抜けるかというのも判断の分かれるところですが、もし売却を考えるのであれば、値崩れしにくい都心の物件は魅力的ですね。
都心物件のデメリット
反対に、都心物件は買うときも高くなってしまうなのがデメリット。
価格が高いため、利回りは地方物件よりも低くなります。
また、特に東京などでは土地もせまくなりがち。
同じ値段で地方物件であれば2倍や3倍の広さのものが買えるというケースもざらにあります。
さらに、なまじ価値が高いとされる都心の物件は、税金も高くなる傾向にあります。
前編でも少し触れましたが、税金というのは不動産投資における最大のコストのひとつ。
特に固定資産税や不動産取得税はコントロールができないので、こうしたコストも見越して物件を選ぶ必要があるのです。
地方物件
地方物件のメリット
地方物件は都心物件の逆で、価格が安く、利回りが高く出るのが最初のメリットといえるでしょう。
しかも、土地は広いので駐車場のほか、バイク用のコンテナを置いたりしてさらに利回りを高めることもできます。
また、特に土地の価格が安いため税金も少なくて済みますね。
こうしたことを考えると、仮に満室に近い稼働率で安定運営できれば、最終的な手残りは地方物件のほうが魅力的だ、と考える投資家の方も多いです。
地方物件のデメリット
当然、地方物件のデメリットも都心物件の裏返しのようなところがあります。
まずは人口が少ないことです。
駅に近いなど有利な条件があればいいのですが、下手すると何ヶ月も空室が埋まらない・・・なんてことも容易に想定できます。
また、資産性は低いので、安いといいながらもよくよく吟味して買わないと、売るときに思ったほどの値段にならない可能性があります。
投資期間をトータルでみたら損だった、というオチもありますので気をつけましょう。
<ここまでのまとめ>
・借り手がつきやすい
・資産性が高い
【デメリット】
・価格が高い(利回りが低い)
・土地が狭い
・税金が高い
・価格が安い(利回りが高い)
・土地が広く転用しやすい
・税金が安い
【デメリット】
・場所を選ばないと借り手がつきづらい
・資産性が低い
不動産投資の4つの切り口(4):どんな構造の建物を選べばいい?
最後の切り口は建物の構造です。
鉄筋コンクリートがいいか、鉄骨がいいか、あるいは木造がいいか。それぞれ特徴がありますので順にみていきましょう。
RC物件
RC物件のメリット
鉄筋コンクリート(以下、RCといいます)の物件はもっとも丈夫で長持ちします。
不動産投資では「耐用年数が長い」という言い方をしますが、RCの法定耐用年数は47年。
これの何がメリットかというと、銀行の融資がその分長い期間とれることなのです。
通常、銀行は融資期間を「法定耐用年数 –築年数」で計算します。
ですので、築20年のRC物件でも残り27年融資を受けることができます。
その分、1年あたりの返済額は(金利にもよりますが)少なくすることができ、キャッシュフローがよくなるわけですね。
また、RCのメリットはそれだけではなく、防音性に優れていて入居者の方に人気が高いことも重要。
よく、隣の話し声が聞こえてきてイヤだ、とか、上の階の人の足音がうるさくて眠れない・・・なんていう話を聞いたことありますよね?
ああいうのは大体、木造物件の話。RCではほとんどありません。
それに加えて、RC物件ではだれもが気にする耐震性や耐火性もほかの構造と比べて高いことが利点です。
居住者の安心感もさることながら、投資家の目線でいうと損害保険料も安くなるのでありがたいですね。
RCの最後のメリットは、ほかの建物とくらべて家賃を高くとれることです。
上記のように、RCにはほかの建物にない優位性があるので、その分人気があります。
需要が多いので、それなりにお値段をつけることができるというわけですね。
RC物件のデメリット
そんなにメリットが多いなら、世の中みんなRC物件だらけになるかというとそうでもありません。
それにはちゃんと理由があります。
なんといってもRC物件は建築費が高いです。
RC建物の建築費は通常、1坪で80万円から120万円といったところ。
木造物件は50万円前後ですから、1.5倍や2倍は高いと思ってまちがいないでしょう。
次に、メンテナンスコストも重くのしかかってきます。
コンクリートは水が入ってしまうとそこから腐食しだして耐久性が落ちるのですが、この修繕は非常にお金がかかります。
また、RC物件は通常陸屋根という平たい屋根のものが多いのですが、この防水工事も数百万円かかることが珍しくありません。
もっと言うと、建物の解体費用もほかの物件と比べて圧倒的に高くなります。
木造物件の4倍や5倍は平気でかかると考えておいたほうがいいでしょう。
鉄骨物件
鉄骨物件には「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」の2種類があります。
似て非なるものですから、投資物件を選ぶ際はどちらに投資するのかきちんと見分けをつけられるようにしておきましょう。
通常、不動産では
・鉄骨の厚みが6mm以上のもの=「重量鉄骨」
・鉄骨の厚みが6mm未満のもの=「軽量鉄骨」
と呼ぶのが一般的です。
重量鉄骨物件のメリット
重量鉄骨のメリットは、法定耐用年数が34年と、RC物件に次いで長いこと。
また、最近では法定耐用年数プラスアルファで融資を出してくれる銀行もあることから、人気が高まっています。
※耐用年数の観点では、鉄骨の厚さが4mm以上であれば34年の法定耐用年数となります。
価格もRCほど高くない割に、強度もそこそこありますのである程度の高さの建物が作れます。
そのため、土地が多少せまくても部屋数を確保することができるのも投資判断のポイント。
また、意外と知られていないメリットとして、重量鉄骨物件は借り手を募集するときに「マンション」として募集ができることがあります。
借り手の目線で考えた場合、「アパート」に住むか「マンション」に住むかってイメージがぜんぜん違いますよね。
RC物件よりも安いのに、「マンション」というブランドイメージを出せ、かつRC物件に近い家賃が取れる重量鉄骨物件は投資家目線で言うと非常にお得感があります。
重量鉄骨物件のデメリット
重量鉄骨物件にはデメリットもいくつかあります。
まずRC物件よりは遮音性が低いこと。
壁や天井にそれなりにお金をかけていて、防音がしっかりした物件もあるのですが、総じてそこまで手をかけている物件は少ないのが現状です。
また、鉄骨は耐震性という意味ではそこそこある一方、火災によって高熱に一定時間さらされると急激に劣化してしまうという欠点があります。
ですので、特に中古物件を買う場合、ボヤであっても火事の履歴があるものには絶対に手を出さないようにしましょう。
軽量鉄骨物件
軽量鉄骨物件のメリット
軽量鉄骨の長所で一番わかりやすいのは価格が安いこと。
木造には一歩及ばないものの、坪単価60万円から70万円程度といったところ。
大手メーカーのものであれば、大量生産かつ規格が決まっている分、さらに低コストなものもあります。
その分調達価格が(新築でも中古でも)安く済みますので、利回りアップ効果があります。
一方で、木造と違ってシロアリ被害がないこともメリットです。
木造建物でシロアリ対策をしっかりやると、結果として軽量鉄骨と同じくらいのコストがかかる可能性もあります。
その面倒がイヤで、かつ予算に限りがあるのであれば最初から軽量鉄骨を選んでしまう手もあります。
軽量鉄骨物件のデメリット
欠点として最初に挙げられるのが、特に鉄骨の厚さが3mm未満の物件の場合、法定耐用年数が19年と木造物件よりも短くなってしまうこと。
特に、最近の不動産投資は融資期間を長くとってキャッシュフローを生み出す手法が主流ですから、その点では大きく見劣りしますね。
また、防音性は木造と同じくあまり期待できないので注意が必要です。
その分家賃も安くなりがちですし、古くなればなるほど家賃も下がるので、収支計画を作る際は特に注意しましょう。
木造物件
木造物件のメリット
木造物件は不動産投資の物件中、コストがもっとも安いです。
坪あたり40万円を切る物件もめずらしくありません。そのため、同じ面積・同じ部屋数であれば圧倒的に収益性は高まります。
また、木造物件は部屋のリフォームが比較的容易なのもメリット。
軽量鉄骨物件もリフォームしやすいのですが、木造物件は大掛かりな改修が必要な場合でも、建物が軽いため比較的容易に工事ができます。
極端な話、建物全体をジャッキで持ち上げて免震装置を取り付けるといったドラスティックなこともできてしまうのです。
基本的に22年という法定耐用年数の木造物件ですが、新築の場合「劣化対策等級」という住宅の性能評価を受けることができれば、融資期間をさらに延ばすことができます。
金融機関によっては、「劣化対策等級2」というグレードを持っている木造物件には最大30年の融資を出すところもありますので、新築の木造狙いの人は検討してみることをお勧めします。
木造物件のデメリット
木造物件は安い分、資産性は乏しいのが欠点です。
そのため、中古物件を買おうとすると融資金額が希望額に届かないことがよくあります。
また、防音性はもっとも低い構造です。
木造アパートに住んだ経験のある方ならお分かりだと思いますが、静かにしているとほぼ隣の家の生活音は筒抜けだと言えるでしょう。
最後に、木造物件に特有の問題がシロアリです。
特に中古物件は要注意。柱などの主要構造部がシロアリにやられている場合、最悪建て直しをする必要すら出てきます。
こうなってしまうともう不動産投資どころの騒ぎではなくなってしまうので、必要に応じて専門家に見てもらうのがベストです。
<ここまでのまとめ>
・耐用年数が長く、融資期間もそれだけ長く取れる
・防音性が高い
・耐震性・耐火性も高い
・他の構造の物件よりも家賃が高く取れる
【デメリット】
・建築費が高い
・メンテナンスコストもかかる
・解体費用も高い
・RCより安いが融資期間もかなり長く取れる
・ある程度の高さの建物も建てられ、部屋数も確保できる
・「マンション」として扱ってもらえる
【デメリット】
・遮音性はRCに劣る
・耐火性は低く、火事で構造が劣化しやすい
・価格が安く、利回りが出やすい
・シロアリ被害がない
【デメリット】
・耐用年数が短く融資がつけづらい
・防音性が低い
・価格はもっとも安い
・大規模な改修もやりやすい
・劣化対策等級を取れば、融資期間を延ばせる可能性がある
【デメリット】
・耐用年数が短く融資がつけづらい
・防音性が非常に低い
・シロアリの被害を受けることがある
まとめ
不動産投資の4つの切り口の後半として、
・都心物件か、それとも地方物件か?
・どんな構造の建物を買えばいいか?
という点を見ていきました。
前編の記事と併せて読んでいただければより一層、不動産投資における物件選びのヒントになると思います。
<<前編はこちら>>
最後に一点だけ補足です。
投資はなんでもそうですが、「これをやれば確実に正解!」というのはほとんどありません。
自分にとっての最適な投資は自分で決めるもの。
この記事が、その基準を自分の中にしっかりと持つ手助けになれば幸いです。
<不動産投資は相場を知ることも大事!>
同じものが2つとない不動産を買うには、「今の相場がどうなのか?」を知ることも重要です。
無料で資料請求ができるので、はじめるタイミングをうかがっている人は一度最新の情報を入手しておきましょう!
本日は以上です。最後までお読みいただきありがとうございました!
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