一生で一回くらい、本物の「金の延べ棒」を持ってみたいと思ったことはないでしょうか?
金は株式や債券とは別の「コモディティ投資」のひとつとして人気がありますね。
私も株式や不動産投資はしているのですが、金もポートフォリオにちょっと入れてみると面白いかなと思って調べてみました。
せっかくですので、この記事で金投資のはじめ方について、ごく基本的な内容をシェアします。
金投資に興味をお持ちの方の参考になれば幸いです。
◇目次
金投資は初心者が始めるのも難しい?まずは情報収集
最初に気になったのが、
「金取引ってどうやって始めたらいいの?もしかして難しい?」
ということ。
証券会社に口座を持っていない人も、あるいは多少株取引の経験がある人も、金取引というとさらにハードルが高いと思うのではないでしょうか。
でも実際調べてみるとそんなことはなくて、後から出てくる4つの投資方法のどれをとってみても、株式投資とほとんど変わらないくらいカンタンに始められます。
ただ、株式投資などとは違った知識が必要になってくるので、投資を始める前にはしっかり勉強してほいたほうがいいでしょう。
とっかかりとして、私は第一商品というところの無料レポートと冊子を熟読しました。
この記事を書く上でも非常に参考になったので、よろしければ目を通してみてくださいね。
はじめに知っておくべき、金投資のメリット・デメリット
それでは、実際に金投資をスタートする前に
- 金投資をするとどういういいことがあるのか?
- 損をする可能性があるとしたら何か?
というメリデメを整理してみましょう。
金投資のメリット
まず、メリットはこんな感じです。
・不況に強く、資産保全に有効
・現物資産なので、価値がゼロになることはない
・分散投資のひとつになる
「有事の金」と昔から言う通り、金は不況や政変といった経済不安に対する耐性が高い資産です。
それに、株式や債券といったいわゆる「ペーパーアセット」と違って、金は現物として自分のものになります。
もちろん、価格の変動によっては損失が出る可能性もありますが、金そのものの価値がゼロになるということは考えにくいでしょう。
また、金は株式や債券とは違う値動きをするという特徴もあります。
こうしたことから、ポートフォリオに入れておくとリスク分散ができるという理由で金を買うわけですね。
金投資のデメリット
一方で、金投資にはこんなデメリットもあります。
・配当金が出ない
・現物を持っていると保管コストがかかる
株式投資とは違って、金投資の場合には配当が出ません。
ですので、配当によるインカムゲインを増やしていきたいのであれば、むしろ金は買わず他の金融資産を買ったほうが目的に合っています。
また、貴重品である金は盗難にあう可能性もあるので、金庫に預けるなどの保管コストが発生します。
現物で持つ場合はこのコストも考慮する必要があります。
当然すべての資産を金で持つということは考えにくく、せいぜい投資金額全体の10%前後にしておくのが望ましいと言えるでしょう。
金に投資する主な方法5つのうち、初心者向きは4つだけ!
大きく分けると、金に投資するには主に以下の5つの方法があります。
- 金地金・金貨
- 純金積立
- 金ETF
- 投資信託
- 金先物
このうち、これから金投資をはじめようと思っている私のような初心者には、最後の金先物はハードルが高すぎるので除外しました。
金投資のはじめ方(1):金地金を購入
まずは一番シンプルな、金の現物を買うというやり方です。
それこそ「金の延べ棒」だったり、金貨だったりですね。
買い方は至ってシンプルでして、金地金や金貨を取り扱っている業者に電話もしくは直接出向いて買い付けるだけです。
イメージ、コンビニでおにぎり買うのと大して変わりません笑
流れをつかむのには三菱マテリアルのHPにある下の図がわかりやすいのでご参考まで。
(三菱マテリアルのHPより)
三菱マテリアルを含め、大手と呼ばれる業者は以下の5社くらい。お近くの業者を訪ねてみるといいでしょう。
<田中貴金属>
http://gold.tanaka.co.jp/inquire/buying/charge02.html
<第一商品>
http://www.dai-ichi.co.jp/gold/merit.asp
<三菱マテリアル>
http://gold.mmc.co.jp/
<日本マテリアル>
http://www.material.co.jp/jp/ig100.php
※そうは言ってもいきなり金の取引業者に電話するなんて怖い!という方には、第一商品が無料で発行しているレポートを事前に読んでおくといいですよ。
金地金の買い方やポイントなど、はじめて金投資する方向けの情報が豊富ですのでおすすめです。
金地金の予算感ですが、一番ゴツイ1㎏の金の延べ棒だと、ふつうに500万円くらいします。
それはさすがに・・・という人向けには小分けにした金地金も売っていますのでご安心を。
ただし、500g未満の場合はバーチャージとよばれる手数料がかかるので要注意です。
金地金よりもさらにカンタンに買えるのが金貨。
有名どころはカナダのメープルリーフ金貨です。これも1gからありますね。
なんとこのとおり、Amazonなどでも買えてしまいます。
お守りとしてサイフに入れたり、ちょっと気の利いたプレゼントにする人もいるみたいですよ。
金投資のはじめ方(2):純金積立
少額の金貨を地道に買い続けていって、ある程度の量になったらまとって売ってリターンを得るという投資法もたしかに存在します。
でも毎回自分で金を買うのもめんどくさいですよね。帰り道ドキドキするし。
そんな手間なく、毎月コツコツと金を買えるのが純金積立です。
純金積立は、一定の金額で金を購入するという投資方法のこと。
いったん口座を設定してしまえばあとは自動的に金を買っておいてくれます。
株などと同じように、「ドルコスト平均法」によって価格変動のリスクを抑えることができるのも魅力ですね。
はじめ方としては、純金積立を取り扱っている証券会社で口座を開くのがもっともメジャーなやり方です。
意外なことに、金地金を取り扱っている会社で純金積立も扱う会社は限られていて、大手だと田中貴金属くらい。
なお、純金積立には手数料がかかるので、できるだけ手数料の低い会社を選ぶのが絶対に外せないポイントです。
手数料が安いのはオンラインの証券会社。
SBI証券や 楽天証券、マネックス証券といったところが有力ですね。
iDeCoであれば楽天証券を推すところですが、純金積立については私はSBI証券をおススメします。
SBI証券の手数料は買付額の2.16%と最安値。
楽天証券とマネックス証券も2.7%なので高くはないですが、配当の出ない金だからこそ手数料にはこだわりたいのが理由です。
なお、3社とも毎月1,000円からはじめられますので、そこは違いがありません。
金投資のはじめ方(3):金ETF
3つ目の金ETFは、金そのものへの投資ではなく、金価格に連動した上場投資信託を買うという投資方法です。
現在、日本で買える主な金ETFは5銘柄。割と少ないんです。
【日本で上場している金ETF】
※1 詳しくは「東京商品取引所の金先物価格を現在価値に引き直した理論価格」
※2 詳しくは「東京商品取引所の金先物価格の期先限月の清算値」
ご覧のとおり、金ETFは手数料が純金積立よりも総じて低いのがメリット。
しかも、中には純金積立と違って分配金が出るものもあります。
ただ、金ETFを選ぶ一番のポイントは何といっても現物による裏付けがあるかどうか。
金地金を持っているETFであれば、仮にETFの取り扱い会社が破綻してしまっても、手持ちの金を売ることである程度資金が回収できます。
金ETFというからには、金を自社で買っているんでしょ?と思うのですが、実はそうとも限りません。
なのでここは超大事。
また、これは好みの問題もありますが、連動する価格が現物価格なのか先物価格なのかというのもひとつの基準。
そうしたことからすると、この5本の中で一番のおすすめはSPDRゴールドシェアですね。
SPDRゴールドシェアをはじめとする金ETFは株式市場に上場しているので、基本的にどこの証券会社でも取り扱い可能。
また、NISAの対象にもなります。
ただ、やはりETFも買うときには手数料が安いところを選ぶべき。
そうなるとSBI証券または楽天証券がおすすめです。
金積立のときとちょっと違って、手数料的には遜色がありません。
もし楽天で他のサービスを使っているならポイントを貯めることができるので楽天証券を選ぶほうがいいかな、くらいの違いです。
金投資のはじめ方(4):投資信託
最後は金に関する投資信託。先ほど出てきた金ETFとよく似てますね。
主な違いは、投資信託では金そのものの他、金を取り扱っている企業などの株を買って運用しているものあるということ。
その分、投資信託のほうが投資対象のバリエーションが豊かです。
(逆にいうと、純粋な金積立とはちょっと違うので注意が必要です)
また、ETFと異なり、毎月の積立ができることも投資信託のメリットとして見逃せません。
(もちろん、ETFと同じようにNISAの対象になります)
コスト的には金ETFよりも少し高くつくのが難点ですが、自分で毎回買い付けるのが面倒な人は投資信託にしてしまうのも手ですね。
私はETF派なのですが、投資信託でいい商品を挙げるとしたらiシェアーズ ゴールドインデックス・ファンドでしょうか。
世界最大の投信会社のひとつ、ブラックロックが運営している投資信託で、手数料も0.485%(税抜き)ということで、金の投資信託の中では最安値。
このiシェアーズ ゴールドインデックス・ファンドも、楽天証券やSBI証券で取り扱っています。
まとめ
金投資をこれからはじめてみようかな、と思う方向けに基本的な情報をまとめました。
はじめ方は決して難しくなく、株などとほとんど同じ手続きでスタートできます。
ただ、金はあくまでポートフォリオの一部。
また、株とは性質が違うので、事前に基本的な知識を仕入れておくのが損しないコツです。
この記事が金投資をはじめる方のお役に立てば幸いです。