「家(住宅ローン)・保険・自動車」が、家計を圧迫する3大固定費だといわれています。
何とかこういう固定費を削って、家計をスリムにしたいと思っている人は多いですね。
ですが、実はこの中で「保険の見直し」は思ったほど効果を生まないことが多いです。 むしろ見直してはいけない場合さえあるのをご存知でしょうか?
この記事では、家計における固定費削減について、今までの常識にとらわれず、本当に効果のあるものだけを、手軽さとインパクトの2軸を使ってランキングしています。
最後まで読んで実践していただければ、より賢くカンタンに固定費削減ができ、毎月の出費を3万円から5万円くらいは減らすことができるようになります。
すでに家計の見直しをやったことがある人も、ためしに最後まで目を通してみてくださいね。
◇目次
保険の見直しでは思ったほど家計がラクにならない理由は?
雑誌やTVの影響なのか、家計の見直しをする際に生命保険や損害保険の切り替えをしようとする方は本当に多くなりました。
ですが実際のところ、保険の見直しだけで家計がすごく楽になった、という話はほとんど聞こえてこないですよね?
これはなぜなのでしょう。 その答えは、主な保険商品ごとに考えていくと見えてきます。
自動車保険の見直しがうまくいかないパターン
まずは自動車保険。
車両保険もつけてフル装備にしていると年間10万円以上になることもありますね。
一方、インターネットで契約できる保険会社は一般的に保険料が安く、そちらに乗り換えようとする人も多いです。
でも、よく考えてみてください。
自動車保険を見直すのって、どんなタイミングでしょう?
多いのは、事故を起こしてしまって保険料が上がるとわかっているときですね。
ですが、事故があると場合によっては通販の保険会社は契約を引き受けてくれないことがあります。
その結果、結局大手の保険会社に出戻りになってしまい、しかも等級が下がった分より高い保険料を払うことになった・・・というのが、自動車保険の見直しがうまくいかない典型的な例です。
もちろん、ずっと無事故であれば通販の保険会社に乗り換えることで保険料を削減できます。
ただ、自動車保険の見直し効果は持続しない可能性がある、ということは頭の片隅にとめておいたほうがいいでしょう。
火災保険はもともと見直し効果が薄い
次に火災保険ですが、家計へのインパクトがほとんどない理由はきわめて単純。
もともとの保険料が少ないから、削減効果なんてほとんどないのです。
私自身の例で恐縮ですが、火災保険と地震保険をセットにしても年間2万円程度。
火災保険部分だけだと数千円なので、はっきり言ってもう削る余地がありません。
いっそ地震保険をやめてしまうという決断もありますが、東日本大震災を見てしまった以上なかなかそこまでは思いきれないですよね。
しかも最近、地震保険の保険料は少しずつ上昇傾向です。
地震が起こる確率も上がっていると言われていますので、ますます見直しづらいタイミングになってしまっているのが実態ですね。
唯一、見直しの効果があるとすれば、昔入った長期の火災保険です。
長いと10年とか20年とかの契約で、保険料もそれなりに払っているので、場合によっては今のほうが安く上がるケースもあるかもしれません。
保険見直しの王道、生命保険は?
最後に生命保険。
よく、人生で二番目に高い買い物だ、なんていうくらいみんな高いお金を払っています。
ただ生命保険の見直しで一番気をつけないといけない落とし穴は、今の健康状態で入れる保険がないかもしれないということです。
いくら保険料が高いからといって下手に解約したりすると、他の保険に入りたくても入れてもらえないことがありますので要注意。
いくら保険に入りなおしたいからと言って、保険会社に提出する「告知事項」でウソを書くのはもってのほかです!
ごまかして保険に入っても、あとでウソがばれたら保険金をもらえなくなりますよ!
また、中にはバブルの頃の非常に高い利率をキープしている、いわゆる「お宝保険」と呼ばれるものもあります。
もし幸運(?)にしてそういう保険に入っている場合、むしろ解約しないほうがいいケースもあります。
生命保険の場合、どうしても保険料の支払いを少なくしたいけど、保険じたいは残したい・・・というときには、「払い済み」という手があります。
「払い済み」というのは、保険料の払い込みをやめて、今まで払った分の保険料を元手に買える分だけの保障を一括払いで買うことです。
【参考:公益社団法人生命保険文化センター】
保険金額が今までより小さくなってしまったり、特約もなくなってしまうのがデメリットですが、最低限の保険さえ確保できればいいという場合には検討してもいいですね。
やり方はカンタンで、「この保険を『払い済み』にしたいんですけど・・」と窓口や代理店に伝えるだけでOKです。
下手に勧められるまま、わけもわからず新しい商品にするくらいならまずは「払い済み」という選択肢があることを覚えておきましょう。
家計をラクにするため、保険以外に見直しすべき固定費とは?
保険の見直しがうまく家計の改善につながらない場合、ほかにどういった固定費を削ればいいでしょうか?
実は保険のほかにも見直すことのできる固定費はまだまだあります。
月々いくらぐらい削減できるかというインパクトと、どのくらいカンタンに手続きできるかというお手軽さの2つの軸でランキングしてみました。
第3位:光熱費
- インパクト:月数千円程度
- 切り替えに必要な時間:1日程度
手続きがもっとも楽なのは光熱費の見直し。 中でも優先順位が高いのは電気代です。
実は、光熱費のなかでも電気代が半分くらいを占めているということをご存知でしたでしょうか?
総務省統計局の集計によると、4人家族の毎月の光熱費は平均23,187円。
そのうち電気代は11,239円で、およそ48%を占めています。
【参考:総務省統計局】
ですので、まずはここから手をつけるといいでしょう。
今では電力自由化のおかげで、我々消費者は好きな事業者から電力を買うことができます。
当たり前ですが、Aという事業者からBという事業者に変えたからといって、照明が暗くなったり、冷房の効きが悪くなるということはありません。 安心して安いところを選べばいいだけです。
電力会社の切り替えができないのは、分譲マンションで管理組合が一括受電契約を結んでいる場合か、賃貸物件のオーナーが一括契約している場合くらいです。 あまりないので、まずはトライしてみましょう。
電気代の一括見積をしたい場合は、こちらの電気代一括比較サービス がラクです。
見積もりに2分、切り替えに1分、合計3分で電気代の節約ができてしまうのがメリット。
年間5万円以上安くなった人が13%もいるそうです。
また、平均でも年間13,033円電気代が安くなっているそうですので、一見の価値ありですね。
なお、次に大きいのはガス代ですが、もしプロパンガスを使っているなら見直す価値あり。
貸家に住んでいる人がメインだと思いますが、プロパンガスは値幅が大きいので一度比較すると大きな効果があるかもしれませんよ。
これはなぜかというと、プロパンガスは水道や電気と違って、料金設定が自由だから。
一方で、ガス会社の比較はあまり情報がないので、高いのか安いのかもよくわからないですよね。
最悪の場合、著しく高止まりした料金を払っている可能性もあります。
そこで、プロパンガスをお使いの皆さんにはこちらの【ガス屋の窓口】 を使ってみることをおススメします。
このサービスも当然見積もりは無料ですし、さらにいいのは「料金保証」というサービスがついてくること。
中にはガス代をしれっと後から値上げする悪質な業者もいるようですが、それを未然に防いでくれるのです!
また、手間のかかるガス会社の切り替え手続きも無料でやってくれるので、是非一度見積もりを依頼してみましょう。
第2位:携帯電話(格安SIM)
- インパクト:月数千円 × 契約人数
- 切り替えに必要な時間:数日程度
光熱費よりちょっと手間はかかりますが、その分インパクトも大きいのが携帯電話代です。
NTTドコモやAU、ソフトバンクなどのいわゆる大手キャリアの場合、スマホ代は月7-8千円かかるのがザラですよね。
今は格安SIMのおかげで、うまくいけば月々の電話料金が半分くらいになります。
格安SIMもいっぱいあって、どれがいいのか研究しだすとキリがないのですが、私は切り替えた後でも通信速度が変わらないことと、電波の入るエリアが広いことがポイントだと思っています。
その軸で選んだ結果、おススメしたいのはUQモバイル でした。
UQモバイルはauの回線を使っているので、エリアはauと同じです。
私はもともとauユーザーだったので、「あ、UQに変えても大丈夫そうだな」と思えました。
ちなみに、通話のプランはS,M,Lという3つしかないのですが、かえってわかりやすくてよかったです。
あんまりゴチャゴチャ細かいことまで比べるのが面倒、という人はこれだけで十分だと思います。
第1位:住宅ローン
- インパクト:月数千円~数万円
- 切り替えに必要な時間:数日から数週間程度
住宅ローンを借りている人はゼッタイ見直しをしたほうがいいです。
よく、見直して得になるかどうかの分かれ目は「残り期間10年以上、金利差1%以上、残債1,000万円以上」あるかどうか、と言いますが、はっきりいってこれにこだわる必要はありません。
そもそもなんで「残り期間10年以上、金利差1%以上、残債1,000万円以上」がバーになっているかというと、住宅ローンの切り替えには初期費用がいろいろかかるからです。
そのコストを加味しても得になるラインの目安がこの3つだったというわけ。
ですが、最近では銀行もよくわかっていて、切り替えを促進するために初期費用を押さえているところが増えてきています。
中には初期費用がほとんど無料に近いところもありますので、金利が安い今はとにかく一度比べてみるに越したことはないでしょう。
金利の差が月々の支払い額やローンの支払い総額にどれくらいの違いをもたらすか、一例を挙げてみたいと思います。
よくある35年ローンで、3,000万円借りたケースを想定しましょう。
金利2%だとすると、月々の支払い額は99,378円。支払総額は41,738,968円です。
直近の住宅ローンだと、1%を切るものもたくさんあります。仮に0.8%としましょう。
(もっと安い金利はたくさんありますが、ちょっと控えめに試算しています)
すると、月々の支払額は81,918円となり、△17,460円も削減可能。
ちなみにトータルは34,405,447円となり、なんと730万円も負担が減ります!
とはいっても、住宅ローンの見直しについては、自分で一から調べるとえらい時間を食います。
平日は遅くなるし、休日も時間がもったいないしで、なかなか重い腰が上がらないですよね。
なので、そういうときは無料の比較サービスが一番。2つおススメします。
まずは住宅本舗という会社の住宅ローン一括審査申込です。
無料で約60の銀行の見積もりを一括で比較してくれて、そのうちの6銀行に仮審査まで行ってくれます。
仮審査に通った銀行の中から、よさそうなところを選んで申し込めばOKです。
もう一つは「住宅ローン借り換えセンター」というそのままの名前のところ。
こちらは、最初に無料で借り換え診断をやってくれます。
面白いのが、見積もりの比較だけではなく、最後の本審査から申し込みのところまでをすべて代行してくれるところ。
サービスは「成果報酬型」で、うまく借り換えできた場合のみ報酬が発生するというものです。
まとめると、それぞれこんな人が向いています。
- とにかく無料がいい人
- 本審査は自分でやれる人
- 業者に会ってまで借り換えは億劫な人
- すべてアウトソースしたい人
- 確実な成果がほしい人
- 詳しくコンサルを受けたい人
番外:自家用車
- インパクト:月数万円以上(月換算)
- 切り替えに必要な時間:1日~数日程度
極論ですが、自動車をもたないという思い切った選択ができるなら、固定費は大きく削減できるということは知っておいて損はないと思います。
なぜかというと、自動車は関連する費用がとても多く、それらも一気になくなるからです。
自動車がなければ、ガソリン代も要りませんし、保険にも入らなくてよくなります。
駐車場代もなくなるし、車検代もゼロ。自動車税もなくなりますね。
もちろん、場所によっては車がないとダメなところもありますし、何より精神的なハードルも非常に高いので、実際にできる人の数は限られるでしょう。
ただ、都心に住んでいる方はぜひ一度「ホントに車って必要か?」と自問してもいいと思います。
レンタカーもタクシーもありますし、最近ではAnycaのように個人間でのカーシェアも使えますしね。
そもそもあまり車を使ってないなら、思い切ってさっさと手放してしまうのも手です。
まとめ
家計をラクにする、固定費削減の効果的な方法をお伝えしました。
あとは、せっかく浮いたお金をどう活かすかが大事ですね。
これでムダ遣いが増えてしまっては元も子もないので、しっかり投資にまわすなどしてお金を殖やす方向にもっていきましょう。
本日は以上です。最後までお読みいただきどうもありがとうございました!