「めざすは社長!」なんて働き方はもう時代遅れ。
でも、実は内心、
「社長はムリでも、せめて役員くらいになれたら御の字。最悪、同期よりは出世したい!」
と思っている人は多いですよね。
私も出世レースの先頭を走りたくて、MBAをとってみたり、毎年の評価が良くなるよう、会社の人事評価ルールを研究したりしてきました。
ですが結局、早いと30代の終わりくらいで大体どのあたりまで出世できるかがぼんやり見えてきてしまうのも事実。
そうすると、 「ああ、結局オレも一生しがない普通のサラリーマンかよ・・・」 と急に空しくなってくるのではないでしょうか?
「出世の限界が見えたのに、一生サラリーマンやるのがいいのか?」
「そもそも社長や役員を目指す意味ってあったのか?」
という疑問に気づいてしまったらどうすればいいのか、というのがこの記事のテーマです。
私と同じように出世の限界を感じ、これからどう過ごすか?という人生の岐路に立っている方の参考になれば幸いです。
◇目次
サラリーマンであること自体は悪いことばかりでもない
まず誤解のないように言っておくと、サラリーマンであることが100%無意味かというとそうでもありません。
企業にずっと勤めていると、それだけで社会的な信用が増すというのは他にはないメリットです。
公務員や大企業にある程度の年数いるだけで、銀行が何千万円というお金をポンと貸してくれるというのは考えてみればすごいことですよね。
また、社会保険料を会社が半分払ってくれていることや、福利厚生も考えると、あながちサラリーマンであること自体は否定するものではありません。
あとは、会社の看板を借りて大きなお金を動かしたり、世の中にインパクトを与えるようなプロジェクトに参加できたりすることもあります。
その中で得られるスキルややりがいも確かにあるでしょう。
ただこれが、
「一生サラリーマンとして、社長や役員のいすを目指して出世競争を続けるのはいい選択なのだろうか?」
というと話は変わってきます。
サラリーマンの出世が魅力的でない理由
何だか負け惜しみみたいでちょっと恥ずかしいのですが、冷静になって「ずっとサラリーマンやって、一生懸命出世する意味って何?」と考えれば考えるほど、実はそんなにいいことないんじゃないか?という気がしてきます。
そう考えると、出世の先が見えてしまったことはむしろ幸運だったとさえ思えます。
ちょっと考えてみるだけでも、出世したらしたで面倒だな、ということはたくさんあります。例えばこんな感じですね。
・会社での出世の決まり方は不条理極まりない
そもそも、会社の出世レース自体が必ずしも平等ではありません。
会社によるところも多いでしょうが、たとえば○○大学卒じゃないと出世コースに乗れないとか、特定の部署を経験していないと役員に上がれないとか。
個人の実力とはまったく関係のないローカルルールがいっぱいあります。
もっとひどいのになると、
「今の役員の好き嫌い」
とかいうまったくもって理不尽な尺度で出世が決まってしまう・・・という例も掃いて捨てるほど見聞きします。
かといって、今更どこかの派閥に属したりするのもイヤだな、というのが人情。
そんなことまでして出世したくない!と思うのは人として立派だと私は思います。
・出世しても結局は誰かの部下。社長になっても株主には勝てない
たとえめでたく出世したとしても、基本的にサラリーマンは一生、「誰かの部下」です。
なお悪いことに、出世すればするほど、自分の上司からのプレッシャーは強くなっていくもの。会社にトップに近いから当然ですよね。
こうなると、段々モノが言えなくなっていくのも当たり前です。
そうこうしているうちに立派な社畜の出来上がり・・・なんていうのも切ない。
よしんば社長になっても、今度は株主からのプレッシャーにさらされることになります。
もしかしたらそっちのほうが辛いかもしれませんね。何せ、下手すれば株主からクビにされてしまうので・・・。
こんな感じで、どこまで行っても結局サラリーマンはずっと誰かの言うことを聞いて定年まですごさないといけないわけです。
・たとえ大企業の役員になっても、稼げる額には限界がある
出世していいことといえば、何といってもお金でしょう。
ところが残念ながら、日本のサラリーマン社長は地位や責任に見合うだけの収入をもらっていない場合がほとんどです。
実際、調べてみると、日本の経営者もサラリーマンである限りはかなり安く買いたたかれていると言ってもいいでしょう。
東洋経済の調査によると、日本の社長は従業員と比べて平均すると4倍程度の給料しかもらっていません。
10倍を超える会社でみても105社だそうです。
(参考:https://toyokeizai.net/articles/-/198548)
これに対して、アメリカではCEOと一般従業員の格差は平均すると300倍くらいになるのです!
(参考:http://work.chron.com/ceo-compensation-vs-world-15509.html)
従業員と社長で差がつきすぎるのも問題ですが、逆にいうと日本のサラリーマン社長にはあんまり夢がないな・・・という気にもなってしまいますよね。
ましてや、何となく社長や役員にはなれなさそうだな・・・という、私と同じような大多数のサラリーマンはどうすればいいんだ、って話です。
出世の先が見えたサラリーマン生活の解決策は?
これが20代や30代の若いうちなら、いっそ転職でもするか!とか、起業して一発逆転を狙ってやる!という気になるかもしれません。
でも、さすがに40も過ぎたら、そんな大それたことは考えないのが普通でしょうか。
出世できそうにないな、と思ったサラリーマンが取ることのできる手段は大きく二つあります。
解決策1:積極的に窓際族を狙う
ひと昔前までは、「窓際族=なんだかかわいそうな人」、みたいなイメージがありました。
でも、冷静に考えてみると窓際族って実はコスパがいいのでは?とも思えます。
残業は一切せず、会社にきても特にやらなければいけないこともない。
それでいて一定の年齢に達していれば給料はそこそこ維持できる。
だとしたら、しゃかりきになって出世なんて目指す必要まったくないじゃん!という気にすらなりませんか?
どうせ会社に期待することなんてもう何もないわけですし・・・。
(過信は禁物ですが)終身雇用と年功序列という日本企業の特徴を逆手にとって、逆に会社をとことん搾取してやろうというかなりラディカルな思想ではありますが、理論上は十分ありえます。
※事実、こんなマンガがちょっと前に話題になってましたね。
唯一欠点があるとすれば、この方法は自分にプライドが持てないことでしょうか。
解決策2:生活に困らないお金を確保し、早期退職する
窓際族をめざすのもちょっと気が引ける人はどうすればいいでしょう。
思うに、現実的なのは「定年までの時計の針をいかに早く進めるか?」ということにフォーカスすることではないでしょうか。
会社の早期退職制度を「積極的に」利用するのもいいですよね。
ただ、問題はそれがいつやってくるかわからないことですし、やってこないこともあります。
となると、自分で今のうちから会社を辞めても困らないだけの準備をしておく必要があります。
どっちみち、定年退職したって老後の心配はしないといけないですよね。
だったら今からそれも含めてやっちゃおう!という話です。
窓際族で誰からも惜しまれず定年を迎えるより、
「お金の心配もなくなったし、後進に道を譲ったほうが会社のためにもなるので辞めます!」
と言えるほうがカッコイイ気もしますしね。
早期にサラリーマンを終える道を選ぶなら、やることは割と地味です。この3つだけ。
- 出費を抑える
- 収入源を見つける
- 投資して資産を増やす
言うは易しかもしれませんが、まずはやってみないと始まらないですよね。
出費の削減についてはこちらの記事が参考になるかと思います。
また、副収入についてはこちら。まずは現実的に月1万円がターゲット。
最後の投資については、ある程度知識を仕入れてから臨むことをおススメします。
濡れ手に粟みたいな投資法は基本的に存在しない(はず)なので、だまされないように最低限の守りを固めましょう。
まとめ
一生サラリーマンで終わるのがいいのか?という問いは、一度は真剣に考える価値のあるものだと思います。
忘れてしまいがちですが、出世レースから外れるのではなく、自ら「降りる」という主体的な選択もあります。
そして、それは決して「負け」ではないのです。
自分らしい生き方を再度考え抜いた結果の選択であれば、胸を張ってそれを貫き通せばいいと私は思います。
>>>お金の教養講座
会社を搾取する側にまわるか、ちょっとリスクをとってでも早めにサラリーマンを切り上げようとするか。
どちらにしても、これから何を目指すか自分で決めていいのではないでしょうか。
もう、誰かの言うことを聞くだけの人生は卒業したいですもんね。
いずれにしても、出世の限界が見えて一生サラリーマンをやり続ける気がなくなったのであれば、少しでも早く先の見通しを立てて、いつ会社を去ることができるかを数字に落とし込んで予測を立てることが大事。
もしかすると、今の貯金を考えたら、意外と早く会社を辞めて自由になれるかもしれませんよ。